タジン鍋を使った簡単料理

タジン鍋とは

 

 

タジンというのは、北アフリカのマグリブ地域の鍋料理のことですが、タジン鍋といえばもとは料理で使われる陶製の土鍋のことを指しています。形状はとんがり帽子のような形の蓋が個性的で、主にモロッコ、アルジェリア、チュニジアなどで食される羊肉や鶏肉と香辛料をかけた野菜を煮込んだような料理に使われます。

 

 

一般的にはキプロス料理で使用される皿と同一のタワスという独特な皿に盛りつけられ、伝統的なタジン鍋は板ガラスがはめられた部分と、塗装された外側部分の二つのパーツから形成されています。丁度上の口になる部分は細くて底の部分は太く、円錐のような形をしています。

 

 

このような形状になっているのには理由があります。それは円錐形の蓋の上部の空間は狭くて対流が起こりにくい点で、従って温度を低い領域で得ることができるのです。こうして食材から出る水蒸気や、食材やハーブの揮発性の香り成分は、冷たい蓋の上部で冷やされることで結露し、水滴となって再び食材に戻るようになっているのです。

 

 

更に、蓋と鍋の隙間にウォーターシールが形成されるので密閉状態を保つことができ、料理の香りが飛ばず、風味を逃さないので、蒸し焼きにはぴったりの条件となります。水蒸気の対流は蓋の下の方だけに発生するので、土鍋の熱を下部に集中させやすいのも利点です。

 

 

近年ではヨーロッパのメーカーによって電子レンジでも加熱が可能なタジン鍋も開発され、その利用方法が一層身近なものとなっているようです。