タジン鍋を使った簡単料理

本場の料理

 

 

昔、モロッコでは飲料水が非常に貴重な存在だったそうです。そのような風土的環境から生まれたのが食材の水分だけで調理できるタジン鍋での料理だったということで、一般的な家庭料理でもあり、その理論は実に理にかなったものだったわけです。

 

 

モロッコのタジン鍋料理は、ジャガイモやニンジン、玉ねぎなどの香りをつけた野菜とソースを鳥肉や羊肉と一緒にゆっくりと低温で蒸し煮にして仕上げる料理です。こうした作り方はモロッコの伝統的な作り方となっていて、現在でもタジン鍋料理の正統的な作り方として伝承されているそうです。

 

 

鍋についているカバーは、取り外しが簡単にできるように先端にノブのようなハンドルが付いていて、材料を煮込んでいる途中でもそのカバーを開けて野菜を追加できるのが大きな特徴となっています。

 

 

又、タジン鍋は素朴な郷土料理なので、高価ではない肉を使用する場合が多く、ラム肉を使う時は、殆どが首、肩、すね肉を使用するのが一般的で、湿気が多くて色落ちしても見た目が美味しそうに見せるために、褐色着色剤を少量使います。

 

 

そのソースはオリーブ、はちみつ、りんご、マルメロ、洋梨、レーズン、アプリコット、プルーン、ナッツ、レモンなどをいろいろ混ぜたものとなっており、スパイスにはサフラン、しょうが、シナモン、ウコン、クミン、パプリカなどが配合されています。他にも、魚、うずら、鳩、豆、根菜など、肉と野菜以外の物を一緒に入れて煮込む料理方法もあり、地域によってはレモンチキン、アーモンドを入れるものもあるようです。こうした郷土料理がベースとなって、現在のタジン鍋料理のバラエティーにもなっているわけです。